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話題のエンゲル係数 日本ではなぜ上昇しているのか

みなさん、エンゲル係数というワードをご存じでしょうか。

最近ニュースで取り上げられるようになり、聞くようになった方が多いのでは?


エンゲル係数とは、家計における支出のうち食費に占める割合を指します。


Wikipediaで調べると、以下の記述がなされています。

一般に、エンゲル係数の値が高いほど生活水準は低いとされる。
これは、食費(食糧・水など)は生命維持の関係から(嗜好品に比べて)極端な節約が
困難とされるためであり、これをエンゲルの法則という。

エンゲル係数の高低は生活水準を表す指標となっているが、
価格体系や生活慣習の異なる社会集団の比較には必ずしも役だたない。


一般的に、エンゲル係数が高い(=家計支出に占める食費の割合が高い)場合は
生活水準が低いとされていますが、昨今の日本ではこのエンゲル係数が
急に高い上昇率を見せているというのが話題になっています。

先日、朝のNHKニュースで

「エンゲル係数が高いのはみんながグルメ志向になったからだ」

という報道がされたらしいです。
つまり、グルメを堪能する余裕が家計に出てきた証拠でもある、と。

今日はこれが本当なのかどうかを紐解いてみます。


日本のエンゲル係数は、ここ10年で右肩上がり

総務省統計局によると、日本における2016年7月~9月のエンゲル係数は26.2%。
総世帯の平均食費を総支出額で割り返すとこの数字になります。


これは果たして高いのでしょうか?

それとも低いのでしょうか?


過去の実績を見てみましょう。

同じく7~9月期で見ていくことにします。


2016年7~9月期 26.2%
2015年7~9月期 25.7%
2014年7~9月期 24.8%
2013年7~9月期 24.1%
2012年7~9月期 24.0%
2011年7~9月期 24.2%
2010年7~9月期 23.7%

2005年7~9月期 23.2%


過去十数年間の数字を見てみると、エンゲル係数が緩やかに上昇しているのが分かります。
そしてここ1年間は特に伸び率が大きいということも読み取れます。

一般論でいけば、エンゲル係数が高くなっている日本は
生活水準が次第に落ちているということになりますよね。


エンゲル係数が上昇する要因を紐解く

ただ、エンゲル係数が高くなる要因はさまざまです。

パッと思い付く要因は以下の通りです。


(1)収入が減った


(2)貯蓄が増えた(総支出減)


(3)食費が増えた



それぞれコメントしていきます。


まず(1)の「収入が減った」について、2016年と2005年の7~9月期を比較します。


スクリーンショット 2017-02-17shunyuugen


ここから分かるのは、ここ10年間で1世帯あたりの平均実収入が
月あたり13,800円ほど(率にすると3%ほど)減少しているということです。

なるほど、確かに収入は少し減っているみたいですね。


しかし、実は総支出も減っているのです。


(2)の「貯蓄が増えた(総支出減)」について見ていきます。


スクリーンショット 2017-02-17chochikuzou


ここ10年間で1世帯あたりの平均総支出が月あたり27,200円ほど
(率にすると10%ほど)減少しているのが分かります。

また、収入の減少が3%であるのに対し、支出の減少は10%であることから、
差の7%分は貯蓄に回しているということが推測できます。

よって、単純に「収入が減ったからエンゲル係数が上昇した」とは言いづらいです。


最後に(3)の「食費が増えた」についてです。

同じように比較してみました。


スクリーンショット 2017-02-17shokuhizou


ここ10年間で1世帯あたりの平均食費が700円(1%)ほど上昇していますが、
これはほんの僅かな変化であり、「増えた」とは言いづらいです。


エンゲル係数の上昇は国民が抱く将来への不安から来ている?

これらの検証結果から、NHKのニュースで取り上げられていたように
「エンゲル係数が高い=みんながグルメ志向になったから」とは言えないのでは?

ここ10年間で収入は3%減少しましたが支出は10%減少し、食費がほぼ横ばいです。

この数字から、国民が食費にお金を多く費やせるようになったとは言えないでしょう。


私が考えるに、収入が緩やかに減っている状況の中で将来に対する不安が増し、
みんなが支出を抑えてお金を貯蓄に回しているのが原因ではないかと。

やはり何と言っても年金に対する不安ではないでしょうか。

私は将来貰える年金なんて当てにしてはいけないと自分に言い聞かせています。

これが無駄遣いを極力減らし、外食も控え、貯蓄を増やそうという動機になっています。
そのため、最低限必要となる食費が支出に占める割合は自ずと高くなります。


勤労者世帯の支出が大きく減少している事実

他に考えられるのは、国民の高齢化です。

退職して収入が減れば、自ずと支出は減ります。
その支出に占める食費の割合が高くなれば、エンゲル係数は上昇します。

働いていない世帯が増えれば、その分エンゲル係数は上昇すると推測できます。

試しに数字を見てみましょう。


スクリーンショット 2017-02-17kinrou
※スマホの方は画像をクリック♪


なかなか面白い結果になりました。

「働いていない世帯が増えれば、その分エンゲル係数は上昇する」という仮説は
その通りの結果となりました。

非勤労者世帯のエンゲル係数が勤労者世帯よりも2%ほど高いことが分かりますので、
定年退職を迎えて非勤労者世帯が増えれば増えるほど、エンゲル係数は上昇します。

一方で、2005年と2016年の総支出変動額に着目してみると、
非勤労者世帯が7%減少しているのに対して勤労者世帯は11.4%減少しています。


働いている世帯の方が支出が減っているということになります。


非勤労者の支出が7%の減少にとどまっているのは、一定の年金を貰えているからでしょう。
対して勤労者は給与の減少に加えて貯蓄の増額が影響し、支出を抑えていると推測します。


さいごに

長文になってしまいましたが、私が言いたいのは2つ。


1.NHKの仮説(=エンゲル係数の上昇は国民がグルメ志向になったから)は間違い

2.エンゲル係数が高い=必ずしも生活水準が低いという訳ではなく、
  日本のように国民が支出を抑えて貯蓄を増やす事によっても生じることがある。


将来のお金が心配でたまらない私は、
しばらくの間エンゲル係数の上昇に寄与することになりそうです。



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