もっそり投資

日系メーカー勤めのサラリーマン投資家が、資産運用や世の中のオカシなことについて綴ります
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「新卒の採用は3億円の投資と一緒」は、果たして本当にそうなのか?

よく聞きませんか?

新卒社員を1人採用するのは、会社としてその学生に3億円の投資をするようなものだ、と。

事実、大卒(大学院含む)の平均生涯賃金は約2.7億円であり、上記は大方正しいというのが分かります。※60歳まで、且つ退職金を含まない

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(出典:労働政策研究・研修機構『ユースフル労働統計2019』


ただ、個人的には違和感があります。

確かに生涯賃金は上記の通りなのでしょうが、賃金の支払いは基本的に月払いです。そのため、採用をする段階で「3億円の投資だ」と表現するのはどうなのでしょうか。


「3億円の投資」という考え方は古い?

少し考えてみたのですが、3億円の投資だという表現は大企業にありがちな年功序列という人事制度が深く関わっているのではないかと感じました。

年功序列であれば、入社してから定年を迎えるまでその会社で働くわけですから、会社側からすれば生涯賃金の3億円を結果的に払うことになります。定年まで働いてもらうという前提で雇用するなら、確かに3億円の投資という考え方に至るのは理解できます。

ただ、転職がだんだんと当たり前になってきている現代において、この考え方は必ずしも当てはまらないのではないかと考えています。人的流動性が上がれば、このような考え方は自然と消えていくのではないでしょうか。


職種によって違う考え方が出来る

職種別に考えてみると、投資額の考え方は変わって来るのではないでしょうか。

■営業職
扱う製品にもよりますが、私が以前いた海外営業部の話を例にすると、月に約2,700万円の売り上げボリュームを担当していました。この金額は、当時の私の年収の約5倍です。

仮に10年担当を続けた場合、50年分の私の年収額を稼ぐことになります。

もちろん他にかかっている経費もありますから単純計算は難しいですが、上記のように考えると人的投資によるリターンはかなり大きいと言えるのではないでしょうか。

一方、入社後40年間の売り上げがどう推移するかなんてなかなか推測は出来ません。10年後ぐらい先までであれば、中長期計画で定めているかな、といったところでしょうか。

また、今は会社の売り上げ全てを営業職が叩き出しているというすごく単純な考え方を用いていますが、なかなかそのように金額を計上することも出来ないため、「40年間に渡る3億円の投資に対するリターンがどうなるのか」という検討もしづらいですよね。

■コーポレート部門(人事、経理、購買、広報、物流、生産など)
端的に言うと、コストでしかありません。

お金を稼ぐことが出来ないので、会社を運営していくのに必要となる経費です。

そのため、そもそも「投資」と表現すること自体に違和感を感じます。売り上げという形でリターンを得ることが出来ないため、1人を採用するのに毎年、ないしは毎月発生するコストがいくら増える、という考え方の方が自然ではないでしょうか。

■開発部門
これはなかなか難しいです。

不確実性がかなり強いですし、開発が長期的なスパンで実施されればされるほど、生涯賃金をベースとした投資という考え方をせざるを得ないかもしれません。

それに、メーカーの開発を担当する社員の離職率は低いイメージがあり、短期での転職というのはあまり頻繁に行われていないという背景もあります。
なお、開発職に直結する数字ではないものの、2018年の製造業の離職率は9.4%と、産業合計平均の14.6%と比較しても低い水準にあります。
(出典:厚生労働省『平成30年雇用動向調査結果の概況』

このデータからも、上記のことが言えそうです。


中途採用を活用すれば見方は変わる

結局のところ、新卒で雇った学生を「ずっと社内に留めておきたい」、「辞めて欲しくない」といった考え方が根本にあるからこそ、3億円の投資と同様だという見方に繋がるのだと思っています。

新卒採用にこだわり過ぎず、中途採用を積極的に導入すれば、3億円の投資だという考え方を和らげることが出来ます。

1人の中途社員を採用するのにかかる額面費用は、転職エージェントを使用した場合、だいたい150~200万円程度です(成果報酬型の場合)。

個人的な意見ですが、今まで他の会社がその中途社員に対して8年間に渡って払ってきた給料=約3,500~4,000万円の価値がある人材を、たったの150~200万円で手に入るならかなりお買い得だと思いますよ。

投資という観点でも、新卒1年目の年収の半額以下にあたる150万円で購入した人材が、30歳相応の高いパフォーマンスを発揮してくれますので、期待できるリターンは大きいです。

このように、より中途採用を活用することで、人材に対する投資の考え方は比較的容易になります。


解雇をすれば見方は変わる

これも1つの大事な観点だと思います。

ほとんどの日系企業は従業員を解雇しませんよね。

解雇しないから、1回雇うとそれは3億円の投資と同様だという考え方に繋がるのだと思います。

この考え方を改めることが出来れば、より短期的に人材投資を考えることが可能になります。


結構殴り書きのような記事ですが、私が感じた違和感について話してみました。


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